小学生の海外体験記 with コロナ

8才の少年がコロナ禍の中、日米アイスランドの学校に通った体験と暮らしを紹介します。

7歳の少年が見た異国でのコロナ体験記 最初のロックダウン

僕は7歳。3年前にパパの仕事でアメリカに引っ越して以来、カリフォルニア州サンフランシスコ近郊の町に住んでいる。好きなアニメは鬼滅ではなくドラえもん。ちょっと臆病、いや、平和主義な小学2年生。3歳の妹がいる。

 

2020年3月16日は突然やってきた。

中国で未知のウィルスが発生したこと、Covid19という名前がついたこと。カリフォルニアでも少しずつコロナの人が見つかったこと。日本の学校がお休みになったことはニュースで聞いていた。

 

でも、自分の身の回りに影響はないと思っていた。

だけど、「Shelter in place」という命令が出されると生活は一変した。

 

学校がない。

友達と会えない。

お店が閉まっている。

パパが家で仕事をしている。

ママはずっと不安な様子でスーパーにものがないと言っている。

 

数日たって、僕と妹は散歩以外は家の外に出なかった。庭やお散歩で遊べたけど、ケンカも増えた。ケンカをすると怒られるのはいつも僕。妹は公園やショッピングモールの遊び場が大好きだから、「行きたい!行きたい!」と言っている。

 

 

段々と怖いうわさも流れ始めた。アジア人は差別される。銃の店にたくさん人が並んでいる。暴動が起きる。日本には、入国制限がかかって帰れなくなる。コロナにかかると死ぬ。

 

そんな時に、僕の日本のじいじが癌で余命が半年だと診断された。

ますます、家の中の雰囲気がすごく悪くなった。

ママとパパは日本に帰る、帰らないでもめているようだった。

 

「パパが仕事で一緒に行けないなら私が子供連れて帰る。親が生きるか死ぬかの時にも帰れないなんてそんなの絶対に無理」

 

ママは心底がっかりした顔でパパに言っていた。パパはしばらく考え込んでいた。

 

 

僕はママに笑顔になってもらいたかったけど、コロナが怖いから家の中にいたかった。何も知らない妹は日本に帰りたい!とここぞとばかりに要求していた。

 

呑気なやつめ。

 

続く